人々に忘れられた廃屋に今にも朽ち果てそうな古い雑記がある
その雑記は最後の日付を開いたまま、その時間を朽ち進んでいる
…その最後のページにはこの様な文章がつづられていた
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とある昔話だ
誰かの話かもしれないし、誰の話でもないかもしれない
なぜなら、既に築かれつつある世界結界により
伝承は次第に歪められ誰もが正確な過去を知らないからだ
この話も事実かもしれないし、歪められた話かもしれない
あるいは、ただの与太話かもしれない
それでも伝えられていたのだから意味はあるのだろう
いずれこの話も皆に忘れられ消えていく
ならば記そう
誰かの記憶に残ることを願い
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