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PBW(プレイバイウェブ)『シルバーレイン』のPCのブログ。
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プロフィール
HN:
桐崎 早苗
性別:
女性
自己紹介:
のんびりと参る所存です。

こちらはシルバーレイン内のPCキャラ
桐崎・早苗(b59392)と
富士野・彩香(b54301)、
御堂・加奈枝(b75436)
他、同背後キャラたちと背後の人による雑記となります。

なりきりなどが好みでない方はご退場下さい。

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このblogで使用される画像には、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、当blog管理者が作成を依頼したものが含まれます。
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早苗さんと椿さんの話になります

この2人の関係を少し掘り下げる形で、ある一日を書いてみました

つまりは椿さんの方が早苗さんを気にかけて、理由つけて早苗さんに絡んでる状態なのです

内容は続きからどうぞ

----------------------
ピンポーン

木で作られた古風な家にインターホンが鳴り響く

(はて…本日は来客の予定がありましたでしょうか)

父と母からは何も聞いていない
ということは突然の来客、ということだ

どうやら母が出て対応しているらしい
しばらくして廊下を歩く音がして自分の部屋の前で止まりノックの音がした

「早苗ー、いるー?」
ふすまの向こうから椿の声がした

「はい、ただ今参ります」
そう答え、早苗がふすまを引くと廊下には椿と母がいた

椿はこの桐崎家の本家の者、それも現当主の妹でもある
本人は特別扱いを望んでは居ないものの、やはり立場の違いというものは無意識に出て畏縮してしまう
それを椿も知っているから、自分から分家の家に来ることは滅多に無い

「椿さん、お茶をお持ちしましょうか」
母がそうたずねると
「ああそんなに長居はしないから大丈夫よ、気を使わせちゃってごめんね」
と椿は返した
そのあとで早苗に向き直り、すこしバツが悪そうにこう言った
「急にごめんね、ちょっと付き合ってほしくてさ」

すでに夏の陽気となり午後は気温が高くなる
自販機でペットボトルの飲み物を買った椿は、二本の緑茶のうち一本を早苗に渡した
「まぁ、このくらいは迷惑料ってことで」
「ありがとう御座います」
お茶を受け取り、ボトルキャップを空け一口喉に流し込む
熱気で火照った体に冷たいお茶が流れ込み心地良い
「早苗のお母さんにも話したけど、私が早苗を尋ねたことは他の人には内緒にしてね」
「わかりました」

(恐らく私の家が本家や他の分家から疎まれていることが理由の一つにあるのでしょう
…椿は昔から、私たちを気にかけては周囲の大人に怒られておりましたから…)

本家の血筋でありながら妖狐を混ぜた、本家の血を汚した家
…特にこの金髪がその血を継いでいる揺るがぬ証拠
早苗とその双子の姉の伊吹はその血ゆえに、特に周囲からの風当たりが強かった

早苗がまだ10歳になったばかりの頃、早苗の父と母が本家に呼び出された際に「幼子を残してはいけない」と一度本家に連れてこられたことがある
(…椿とはそこの時に出会いましたね)
金髪を珍しがり早苗と伊吹に椿が話しかけた直後、椿が親に怒られ部屋から追い出されたのが印象に残っている

その後も両親が本家に呼ばれた際に、本家の敷地から少し離れた場所にある離れに来る度に
椿は世話役の目を盗んでその離れまで来ていた
同じく本家に来ていたほかの分家の子から虐めを受けた時も、椿が助けてくれた

(感謝しています)

「…プハー」
一気に飲みペットボトルを空にした椿は、飲んでいる間に止めていた呼吸を戻し
その容器を近くのゴミ箱へ捨てた
「しっかし暑いわねー」
「すっかり夏の気温ですね」

汗を流しながらもしばらく歩く

「でさー、早苗に付き合ってもらうことなんだけどね」
椿が本題に入ったところで歩みが止まる
場所は人通りの少ない河川敷
「久々に、今のお互いの実力差を計りたくて」
「実力差…ですか?」
「そ、符術とか、あと剣術も」
「…符術はともかく、私は剣術は…」

早苗がそう返す間も、椿は足元の木の枝を手に取り選んでいた

「符術は作る速度に関してはまだ私が負けそうだけど、効果のほうは最近ちょっと自信あるのよねー」

うん、と小さく頷きながら、枝を四本まで選別していく

「最近知ったんだけどさ、早苗がやってる毎朝の訓練に剣の稽古もあるそうじゃない」

振り返った椿はワクワクしている様だった

「ちょっと見てみたいの、当主候補として私の祖父と争うはずだった早苗の祖父の剣術をね
 早苗のお父さんに頼もうかとも思ったんだけど、いろいろ遠慮されそうだったから」

四本の枝を差し出す
ここから好きなのを選べということらしい

「…解りました、しかし私は…基礎しか学んでおりません」
「それで十分よ」

早苗は二本の枝を受け取った
「宝剣の二刀ってところかしら、基本は桐崎家で主流の型なのね」
椿も同じように二本の枝を構える

シュッ

枝が空を斬る音が響く

早苗は、椿の先制の突きを半身をずらして左へ回避し、同時に右手の枝で突きを外へ弾き一歩踏み込んだ
しかし椿の方も、突きに対し早苗が半身をずらした時点でそのままさらに踏み込み早苗の背後まで一気にまわる
互いに間合いの外となった
「…!」
反射的に早苗は間合いを取りつつ振り向くと鼻先を枝が掠めた
さらなる椿の追撃を近い方の手の枝でさらに外へ弾いて軌道を反らす

再び両者の間合いが開いた

「んー武器を弾いて反らしていく部分が早苗の祖父が加えてたアレンジ部分ってところなのかな、面白いじゃない」
構えた枝を下ろして椿がそう呟いた
「ありがと、実はこれが呼び出した本題だったのよ」
椿はそう言い、悪戯が見つかってごまかそうとしている子供のような笑みを浮かべた

その後は、椿に聞かれるままに毎朝の日課になっている訓練の内容を伝えていった
「同じ家の人間なら特に隠す理由もないのですから、先にこれを聞けば良かったのでは…」
早苗が疑問を口にだすと
「本質を理解しないまま形だけ教わっても深い部分までわからないじゃない
 理解を後回しにしたら形を先に覚えなきゃいけないし、そしたら私の今の形が崩れちゃうわ」
と椿の返答がきた

理解を深めるために先に体で体験しておきたかったらしい

最近はさらに強くなるためにと自分の今の剣術にアレンジを加えている最中なのだそうだ
その為にあちこちの分家をまわっては色々教わっているんだとか

「ただ、これが父や祖父にばれると本家の恥がどうのとうるさくてねー
 うちの文献だけじゃ全部わからないんだし、別に教えてもらうくらい良いじゃない、ねぇ?」
椿はそう不満をいいながら口を尖らせた
「特に早苗の家のほうは早苗の祖父に関する記録がほとんど捨てられてて、長く居る使用人から聞いた話以外はよくわからなかったのよ」
「そうだったのですか…」
「うちのじーさん未だにたまーに、早苗の祖父への愚痴を漏らすのよ、ほんと未練がましいわよねえ」
ハハハ、と笑う椿
「ま、うちの兄貴が当主になったことだし、じーさんもそのうちくたばるだろうし
 …捨てられた記録もいつかできるだけ元に戻さないとね
 その為にも名実共にいろんな実力を身につけて、本家や分家のみんなに認められたいの」

なぜこの人は、私の家を気にしてくれるのだろう

祖父が規則を破ったことで本家から追い出され、情けのみで繋がっているような私たちの家を気にしてくれている
その繋がりを再び強くしようとしてくれている

特に規則を守るべき本家の直系でありながら、身内を敵にまわすような行為を行っている椿のことが不思議でならない

早苗の視線に気付いたのか、椿は少し照れながらこう付け加えた

「私だってどうしてこんなにうちが規則にうるさいかは理解してる
 でもさ…だからって家族を簡単に切り捨てるなんて出来ないじゃない」

「…家族…ですか?」

「うん、なんていうかさ、私にとってはこの『家』の集まりそのものが一つの家族みたいに感じてるのよ
 たぶん私の祖父も本当はそう感じてるんだと思う、そして家族を大事にしたいと思ってるハズ
 …そうじゃなかったらあんなに文句言いながらわざわざ繋がりを残すことなんてしないでしょ?」

「……」
考えたこともなかった

「まー、あれでじーさん素直じゃないからねえ、親父…じゃなかった、父もなんだかんだで私のやってること黙認してくれてるし
 私の父は兄貴ほど覚悟が決まらなかったのよ、あと時期的にも分家のうるさい方とかがまだ興奮が冷めてなかったしね
 まぁ、時間はかかるだろうけどせめてギクシャクした関係はなんとかしたいわね
 ともかく、だからあまり卑屈になる必要はないのよ」

そう言いつつ椿は早苗の頬に手を伸ばした

「…ボーっとしてちゃんと聞いてるの?今のちょっと恥ずかしかったんだから」

「ふへっ!?す、すみまへん…」

早苗はほっぺをムニムニされながら思った
自分は本当に、この巨大な家族の一員になっても良いのだろうか、と

(…伊吹ならこういう時、どう思うでしょうか)
今は亡き双子の姉のことを思う
答えはわからない

ただ、自分のことを『家族』だと言い切ってくれる人が父と母のほかにも居た
それだけは事実だった
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