補足:
・この中で出てくる運命予報士の「間宮・未由紀」はオリジナルキャラとなります。
実際のシルバーレイン内のゲームキャラやNPCとは何の関係もありませんのでご了承下さい。
・執筆者が背後となるキャラはここの偽シナリオではNPC扱いになります。
・今回は桐崎・早苗がNPCとして同行する形になります。
治癒符奥義とアヤカシの群れでの後方からの回復が主な戦闘行為になります。
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もう五月になろうとしており場所によっては桜も散り始めている
そんな季節
「もう桜も散ってしまったなあ」
夜の散歩に出ていた男性は、人気のない公園の隅で足を止め、葉桜を見上げてそう呟いた
「そういえば今年は忙しくて花見も出来なかった…」
来年こそは、と思いながら歩みを再開した時だ
視界にピンク色の何かがひらひらと落下する様子が目に入った
「…ん?」
見上げると満開の桜が三本
「ほぉ…綺麗だなあ、でもさっきはこんな桜無かったはずじゃ…」
男性が首を傾げていると耳にささやくような呟くような小さな声が聞こえてくる
「…足りない…足りない…」
次の瞬間に激しい桜吹雪が巻き起こった
その桜吹雪の中、体中の力が吸い取られる感覚と共に、声を出す間もなく倒れ、男性は命を失った
男性が最後に見た景色は、視界を埋め尽くす桜の花弁と三本の桜の中心に立ち尽くす別の何者かだった
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ここは銀誓館から徒歩で行ける距離にあるカフェ
店内は静かなジャズが流れ、コーヒーと洋菓子の香りが漂っている
「…すみません、急に無理を言ってしまって…」
運命予報士の力を持つ間宮・未由紀は開口一番に申し訳ない旨を伝え、栗毛色の髪を揺らし会釈をした。
彼女の前には、友人の桐崎・早苗(b59392)に頼み集めてもらった数名の能力者たちがいる
全員銀誓館の生徒だ
「いえ、構いません、それにゴーストを放置しておくわけにも参りませんから」
と早苗は未由紀に微笑んだ
未由紀は銀誓館の生徒ではないことと、
見える予報がゴーストタウンより難易度が低いような小規模なものばかりだったため、今までは早苗一人に相談するだけで良かったのだが…
「はい、今回は…その、お一人では無理…かと」
そう申し訳なさそうに、未由紀は早苗に告げる
「今回は、ある公園に出てくる強い地縛霊の退治になります。
夜の太陽が沈んだ頃に、隅のほうにある大きな桜の木の前で
『桜が散った』という内容の会話を行うことで周囲の人間を巻き込んで特殊空間に引き込まれます」
出てくるゴーストは、大きい桜の木の妖獣が3体、リビングデッドが6体
「そして、桜の木の妖獣を操っている地縛霊が一体です」
未由紀がそう伝えると早苗は「…多いですね…」と感想を漏らした
「はい、それだけではなく、それぞれ効き辛い攻撃があります」
桜の妖獣:移動は行いません。
神秘回避のボーナスを持っており神秘に対する耐性が高いです。
攻撃方法は桜吹雪と木の根
桜吹雪は20m全周囲+HP吸収で吹雪の竜巻と黒影剣を組み合わせたような性能です。
木の根は至近距離一体への攻撃です。命中は悪いものの威力が非常に高いので接近時は注意が必要です。
リビングデッド:このゴーストの犠牲になった方たちです。
桜の妖獣を守るように移動し攻撃してきます。
攻撃方法は何の変哲も無い殴打と、噛み付きです。
気槐攻撃が効き辛いという特徴を持っています。
地縛霊:移動は行いません。
桜の妖獣に守られるようにその中心で立ち尽くしています。
桜の妖獣と同じように神秘攻撃が効き辛いです。
遠距離では特に攻撃はしてこないですが、この地縛霊を倒せば桜の妖獣も消えます。
また、近づくと「邪魔をするな」と叫びながら吹き飛ばし効果のある至近での全周囲攻撃を振るって来ます。
地縛霊の足元はビニールシートになっており、ビールの缶や弁当などが置かれていて非常に歩きにくいので注意してください。
すでに自我は無い状態です。
「…どうやら、花見を楽しみにしたまま参加できず、お亡くなりになった方の強い思念が桜の木に取り憑いているみたいです。
花見をしたいという思いが桜を維持しようという行動になり、生気を集めるという結果になっている様です。
生気を集めても実際の桜には意味がないのではとは思うのですが…」
必要な情報を伝えると、未由紀はペコっと頭を下げてお願いをした。
「これ以上犠牲者が増える前に…どうかお願いします」
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