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怪盗!キャット・ムーン
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木々の葉は青々と茂り日差しも強くなっている初夏の週末。
外は薄着になるだけでは汗がにじむほど暑く、冷房の効いた店内の冷気がひんやりと気持ちが良い。
ここは銀誓館から徒歩で行ける距離にあるカフェ、店内は静かなジャズが流れ、コーヒーと洋菓子の香りが漂っている。
「ごめんねー、急に呼び出しちゃって」
桐崎・椿(b74268)が人数分の飲み物を店員に注文したあと続けた。
「ちょっとみんなに手伝って欲しいのよ」
「改まって、どうされたのですか?」
と桐崎・早苗(b59392)は椿へ尋ねる。
その問いに対し、椿はすこし困った顔をして虚空へ目線を移動させたあと、思い切ったように真面目な顔で向き直った。
「怪盗の予告状が来たのよ」
そう良いながらコピー用紙を取り出す。
そこには、名刺大のサイズの縁で囲まれたイラストと、【怪盗キャット・ムーン参上!】という文字が写っていた。
「いやね、これこないだうちの祖父のコレクション部屋にあったカードのコピーなんだけどさ…」
桐崎・椿の実家は平安の時代より古くから続く公家の血筋の人間から依頼を受けてきた能力者の家系で、それなりに大きい旧家である。
もちろん家の警備も身内の実力者で固められており無許可の進入は容易ではない。
「まぁそれで、うちの祖父のコレクションの焼き物の皿が狙われてるっぽいのよ」
店員が持ってきたアイスティーを一口飲み、続ける。
「祖父のコレクションとかは別にどうでも良いんだけども」
…どうやら孫に趣味を理解されていないらしい。それはともかくとして、
「最近平和ボケしてるとはいえうちの警備を潜り抜けられるやつがいるってことでさ、それは穏やかじゃないなって思って」
その言葉を聞き、
「…つまり、私たちにもその警備へ参加してほしい…と」
…と早苗が確認をとった。
「そう、そういうこと、それでさ…」
と言いかけたところで再びアイスティーを一口。
「まぁ、うちちょっと煩くてさー」
ここで再びアイスティーを一口飲む。
「うちのシキタリとかで制限かかっちゃうけども、お願いできるかな?」
と、椿は申し訳なさそうに首元を指でかきながら全員の様子を伺った。
しかし皆の返事を待つ間の無言の空気に堪えられず
「…しかし、今どき怪盗とか流行んないわよねー…、こんなの警察にも相談できないしさ」
と言葉を続け、落ち着き無く飲み物に手を伸ばした。
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必要な情報やコメント
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●作戦やプレイングメインのシナリオです。
●多人数視点のリプレイになる予定です。
結果に影響が出ない言動は殆ど描写されません。
●参加者の人たちには狙われている焼き物の皿を盗まれないように警備に参加してもらいます。
目的のものが割れる、盗まれるなどにより失われなければ成功です。
皿は割れ物なので何かしらの理由で落下した場合は割れてしまいます。
落下時に至近距離に居れば自動的にキャッチし、成功します。
しかし至近距離に居なければ地面へ落下し割れてしまいます。
また、皿を持っている人物が攻撃を受けると衝撃で皿は割れてしまいます。
怪盗は割らずに入手したいため皿を持っている人物へは攻撃しません。
しかし奪い取ろうとしてきます。
●桐崎・椿の友人として客人扱いになるため一部の禁止箇所への侵入以外は自由に行動できます。
●シナリオのリプレイ自体は、怪盗が忍び込む前、予告時間である夜の21時の5分前からのスタートとなります。
怪盗が敷地外へ逃げ出したらリプレイは終了です。
●怪盗は逃がしてしまっても問題ありません。
怪盗の結果によって派生シナリオが発生します。
逃走し、逃走した方向が解っている場合->追撃シナリオ
逃走したが方向がわからない場合、逃げ切られた場合->後日別シナリオで再度登場
一度姿を現したものの、外へ逃げ出した様子がない場合->警備を続けながら隠れているのを探し出すシナリオ
また、捕獲した場合は見えざる狂気の説明をし、銀誓館学園に入学することになります。
その場合は今後の偽シナリオでNPCとして登場する形になります。
もし参加者の中で怪盗をキャラとして欲しいという方がいましたら譲渡いたします。
その際は怪盗の本名、身長、キャラ背景などの設定を連絡いたします。
その場合は偽シナリオへのNPCとしての登場は無くなります。
特に思い入れもないキャラなので、キャラ崩壊や設定変更は問題ありません。
貰ってくれる人がいる場合は、どうか可愛がってやってください。
相談内容を把握しているのは
桐崎・早苗(b59392)
桐崎・椿(b74268)
の二名になります。
それ以外のNPCたちは性格に合わせて勝手に動きます。
性格に合わせた誘導によりうまく行動をとらせることはできます。
桐崎・椿は当主の血筋なので発言権は強い方です。
また、現当主である兄が今回の警備の手伝いを理解してくれているので、
彼女を通してNPCたちの配置や行動にある程度変更を加えることが可能です。
(しかし、重要度と戦力バランスを考慮したうえで今の初期配置となっているため、特に作戦が無い場合は初期配置のままを推奨します。)
●嘘の情報を流したり、NPCたちの妨害を行ったり、建物やオブジェを破壊した場合、
シナリオが失敗してしまうと桐崎・椿が祖父にこっぴどく怒られます。
この場合、シルバーレイン内の桐崎・椿には影響はありませんが追撃シナリオは消滅します。
また今後、桐崎家関係の偽シナリオの頻度が下がり、桐崎・椿の桐崎家での発言権が低くなってしまいます。
●モブキャラたちは雑魚いです。殆ど足止めできません。
●20秒はGTの約1ターンに該当します。
//-------------場所の情報-----------//
場所は桐崎家の本家の敷地です。
塀に囲まれた土地の中に各建物や施設があります。
塀の中の構造は、中心から見て次のようになっています。
●北~北東
庭石、砂利、による見晴らしの良い和風庭園になっています。
庭石の影などに身を潜めることはできますが、見晴らしがいいので
注意していれば「動く物陰」を見逃すことはないでしょう。
●東
正門と北西の本館へ続く道があります。
正門は中からしか開けることが出来ません。
門の右側にスイッチがあり、電動式で開閉します。
開門する場合は20秒ほどの時間が必要です。
●南東
第二分館と第三分館があります。どちらも一階建てです。
第二分館は道場のような鍛錬のための施設となっています。
中に潜む目的でもなければ、通常は中に人が入ることはないでしょう。
中は広い畳の間と更衣室が二つ、休憩室が二つという簡素なつくりです。
さらに南には第三分館があり博物館のようなガラスケースのある施設です。
今回狙われているものは第三分館にあります。
第三分館の中は割れ物が多いため中での戦闘は発生しません。怪盗も美術品の破壊が目的ではないので戦闘を避けようとします。
また、第三分館の中で怪盗を追い詰めても都合よくある窓や通気口から外に出られてしまいます。
外で待ち伏せするのが無難でしょう。
建物内へ進入された場合は本家の人間が数名後を追うため、怪盗も目的のものを手に入れたらすみやかに外へ出てきます。
何処から出てくるかは不明です。
●南~南西
花や木々を中心とした和風庭園になっています。
南西の方には小さな人工の川と池があり鯉が泳いでいます。
人工池は外とは繋がっていません。
また「木を巻き込む」といった記述がない限り庭木を避けて攻撃するため命中率は非常に低下してしまいます。
見晴らしも悪い状態です。
●北西
本館があります。
2階建ての広い建物です。
本館は本家の人間が警備を固めており、部外者の侵入は許されません。
しかしどさくさにまぎれて動物が近くの木から飛び移る程度なら見逃されます。
通常時は動物が侵入した場合でも、本家の内部を警備する人によりその動物は追い返されてしまいます。
本館には桐崎・椿の家族が住んでおり、椿の祖父と父は頑固者で融通が効きません。
本館から廊下で繋がった南の位置に第一分館があります。
本館と分館を繋ぐ廊下は屋根が低いため本館の二階から分館の二階へ飛び移ることは出来ません。
二階建ての一回り小さい建物です。
ここはお手伝いさんたちの生活のスペースになっており塀の外と繋がる裏口があり、塀に隣接しています。
また、第一分館の近くには焼却炉、井戸、下水道もあります。
下水道は外の下水道と繋がっていますが普段は蓋がされています。
蓋は攻撃アビリティによる破壊もしくは20秒ほどの時間でのピッキングによる開錠によって外れます。
一番近い出口は東門の外のマンホールになりますが、そのまま下水道を伝って逃亡することも可能です。
●西
倉と食料庫があります。
どちらもかなり高いことと、塀にやや近い位置にあるため倉の屋根から飛び降りることで塀の外に出ることは出来そうです。
しかし屋根に登るためには別の高い場所から飛び移らなければなりません。
また、倉と第一分館の間には数本の大きな木が立っています。
運動が得意で体重が軽い者なら、第一分館の二階から飛び移っていくことで倉の屋根に移動することが可能です。
それぞれの建物や高い木は特に記述が無いものは塀から十分離れており飛び移れる距離ではありません。
//-------場所の情報------//
//-------敵情報------//
●予告状が置かれた日に警備の者が数名襲撃を受けています。
これはその際の目撃情報です。
難易度を下げるためにこの情報は正確なものとなります。
怪盗キャット・ムーン
見た目13歳くらいの濃い青髪の少年で何処にも所属していない能力者のようです。
それっぽいスーツに目元だけを隠すマスクをつけて怪盗になりきっています。
小柄ですばしっこいようです。
本業は魔弾術士、バイトはナイトメア適合者のようです。
武器は念動剣を使うようです。
一般技能は、運動能力、鋭敏感覚、探し物、のようです。
また簡単な鍵なら解除できる程度のピッキング技能と縄抜けの技術を持っているようです。
//-------敵情報------//
//-------その他の情報------//
・桐崎・早苗(b59392)、桐崎・椿(b74268)と同背後のキャラが複数、NPCとして参加します。
それぞれの性格、特徴、強さはシルバーレイン内のキャラシートを参照してください。
どれも癖のある性格なので、キャラクターの性格をより性格に把握すると有利に勧められると思います。
アビリティや武器は、椿と早苗以外は16日より出発まで固定します。
またこのシナリオの相談期間中にお手紙を出したりGT連れ出しを行っても仲良くなることはできません。
お手紙やGT連れ出しはシナリオの後に行われたことになってしまいます。
モブキャラは次の能力になります
本家の人間
本業:符術士
能力[71/94/87]、攻撃力[78/103/61](日本刀)、HP510(気槐回避ボーナス)、旋剣の構え、治癒符改、ダークハンド改、となっています。
分家の人間
本業:符術士
能力[39/53/48]、攻撃力[54/41/58](宝剣)、HP340(気槐回避ボーナス)、旋剣の構え、治癒符改、呪殺符、となっています。
・本館は本家のモブキャラが3人一組で本館全ての出入り口を警備しています。
ここは特に気にしなくても問題はありません。
また本館は桐崎・椿しか侵入を許されません。
・西側の第一別館
桐崎家の分家の次の者がNPCとして配置につきます。
●井澄・由貴(b75517)
●桐崎・巴(b75521)
また、分家のモブキャラが3名います。
・東側正門
次の者がNPCとして配置につきます。
●桐崎・早苗(b59392)
●柳瀬・睦月(b72812)
また、桐崎・早苗(b59392)は本家の敷地に入ることを認められていないため、門の外(塀の外)での待機になります。
開門されることで中へ入ることができますが、その場合は失敗時に桐崎・椿がよりこっぴどく怒られます。
東門に限らず塀の外をパトロールすることも可能です。
特に指示がなければ、「より大きい騒ぎ」がある場所の外に移動し、塀の上から逃げ出す人影を待ち伏せしています。
・北~北東の庭園
分家のモブキャラたちが、5名一組で2組警備にあたります。
・南~南西の庭園
桐崎家の分家の次の者がNPCとして配置につきます。
●桐崎・奈々美(b75522)
また、分家のモブキャラが9名います。
それぞれ5名一組で2組で警備にあたります。
・倉周辺
●高野・咲(b75519)
桐崎家の分家の次の者がNPCとして配置につきます。
また、分家のモブキャラが4名います。
・南東の第三分館
次の者がNPCとして配置につきます。
●桐崎・椿(b74268)
また、本家のモブキャラが4名います。
他には椿の兄がここで待機しています。
椿の兄は次のステータスになります。
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桐崎・善之(きりざき・よしゆき)
本業:符術士
能力[91/113/110]、攻撃力[68/61/96](宝剣)、HP480(気槐回避ボーナス)、旋剣の構え奥義、治癒符奥義、ダークハンド奥義。
一般技能:鋭敏感覚、礼儀作法、瞬間記憶
・温和な性格で、母の教育のおかげか椿と同じように偏見の少ない人物になっています。
話せば解るタイプです。
しかし祖父や父の発言力がまだ十分に高いため、現当主でありながらもあまり勝手なことは出来ません。
(運動は苦手ですぐ息切れとなります)
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他、質問事項があればさしつかえない範囲で、相談場所で桐崎・椿より返答いたします。
//-------その他の情報------//
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