椿「…そう、そうよ!玉入れで勝っていれば引き分けなのよ…っ!」
―元気を取り戻した…!?
椿「そ、それと、棒倒しでの得点も加えていいかな!
それで、パーフェクト勝ちじゃなければ引き分けってことで!」
―いや、弱気だー!?
椿「いや…大丈夫、テストは勝ってたからこれで負けても引き分けよ引き分け…ぶつぶつ」
―かなり弱気だー!?
早苗「どうやらアレが原因で精神的に弱くなっているような…」
―テストの罰ゲームか…
―もう腹くくって可愛いヒラヒラの服を着ちゃいなよ!
椿(ビクッ)
―…なんでそんなにスカートとか嫌いなんだろう…仮装マラソンの忍び装束は平気だったというのに
椿「露出じゃないの!こう、ああもう、可愛い系はとにかく似合わないのー!」
―どうやらトラウマがあるらしい
早苗「ええと…それで、得点ですが…」
椿「そ、そうね!玉入れと棒倒しの点数よ!!」
―ええと、ちょっと集計してみましょう
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玉入れ
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早苗:4個 x 2点 = 8点
椿 :2個 x 2点 = 4点
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棒倒し
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::第一ターン::
早苗:34点
椿 :攻撃失敗
::第二ターン::
早苗:26点
椿 :25点
::第三ターン::
早苗:24点
椿 :30点
::合計::
早苗:84点
椿 :55点
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椿「圧倒的だし!?」
早苗「あら…まあ…」
―圧勝ですね
椿「…くっ…、はははは!煮るなり焼くなり好きにするがいいわ!!」
―なら罰ゲーム、大人しく着飾っちゃってください
椿「いや!?この勝負は私と早苗のだし!?」
早苗「えーと…?」
―では早苗さんから言ってやってくださいよ、可愛い服着てみて欲しいって
早苗「え、はい、可愛い服を…」
椿「言わせてるし!?違うでしょ!それ早苗の意思じゃないでしょ!?」
―…ちっ
椿「っていうか背後は具体的にどんな服を着せたいのよ」
―ゴシック系?お姫様のようなドレスとかいいよね
―普段のラフな素行と全然似合わなさそうで最高だと思う
椿「こ、このドS!」
早苗「ええと…」
―さて本題に戻りましょう
―どうやら早苗さんが椿さんに一つお願い事をする権利が生まれたようですよ
早苗「はあ、そうですか…」
椿「そうなのよ、ここまで完璧に負けたらこうまでしないと私の気がすまないっていうか、勢いっていうか」
―早苗さんなら酷いことしないだろうっていう打算もあるよね?
椿「黙っててくれないかな!?」
早苗「はあ、では…」
椿「うんうん」
早苗「あっぷるぱい、というものを作ってみたいと思いまして、その試食をお願いしても宜しいでしょうか?」
椿「………」
―………生きろ
椿「…ちょ、待って、置いていかないで!?」
早苗「食べてくださらないのですか?」
椿「いや…うん…約束は守るわよ…はは…」
早苗「良かった、りんごの入ったサラダをヒントにした『あっぷるぱい』を作ってみたいと思いまして」
早苗「マヨネーズ、ポテト、りんご、オレンジ、ヨーグルト、そこに黒糖、醤油、酢を加えて和風にしたものを作ってみたいなと…」
椿「…はは…期待…してるわ…(全てを諦めきった死んだ魚のような目で)」
―その一ヵ月後、味の不協和音を受けた椿さんは
―頭痛で学校を二日ほど休むことになるのだけどそれはまた別の話
―ちなみにその試作のアップルパイは、作った本人だけは美味しそうに食べていたそうです
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