命を…一体なんだと思っているのか
吸血鬼の「ゲーム」のそうだったが
大陸妖狐のやり口も、自分たちの行動を隠すため派手なことをしないだけで
行動を起こす時は非常に酷いことをしている
まるで命をただの駒としか見ていないような…
敵対相手だけでなく、一般人も、さらに味方まで
今まで見聞きしてきた大陸妖狐の所業を一つ一つ思い出し、九尾扇と灯篭を持つ手に力を入れる
…確かに私も妖狐の血が流れている
それでも…こんなのは認めるわけにはいかない
これ以上好きにはさせない
ただそのことで頭が一杯だった
視界に入る「敵」に向け、妖力で生み出した七つの星の輝きを飛ばしていく
幻楼七星光によりうかつな敵が次々と石になっていった
石像は即座に敵味方が入り乱れる混戦の中へ消えていく
砕けてしまったのかそれとも途中で回復したのかは分からない
ただ目の前の敵を全て打ち倒すのみ
テキヲコワセ
失わないために、奪われる前に
スベテケシテシマエ
…奪われる前に…全て消えてしまえ!!
気がついたら戦いは終わっていた
どうやら私たちは勝ったらしい…
とにかく夢中で、戦いの途中のことは覚えていない
後で3T目に神将『死罪人検体』と対峙していたと聞かされたものの全く覚えていない
少なくとも大きな怪我はなく、最後まで戦い抜いた様子
兎に角、大陸妖狐を退けることが出来た
これは良い結果だと思う
自分が戦いに身を投じるようになった理由を改めて思い浮かべる
突然襲ってきたゴースト
私を庇って命を失った双子の姉
何も出来なかった私
もう…失わせない
今の私には「力」がある…
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以下、背後の人の独り言
いつかこういう方向にする予定だったので良い機会だなと…
受身で自分を出すのが下手な人ほど
そして自分を押さえ込んで他人を優先する人ほど
心の歪みをどんどん溜め込むものです
そしてそれはある日爆発します
なんだかんだでまだトラウマを克服できていない早苗さん
このまま緩やかにダークになっていくのかそれとも乗り越えられるのか
ちなみに、自分が守るための行動で相手の大事なものを奪っている事に関しては現在自覚していません
このあたりは身内といくシナリオで触れられたら良いなと考えています
逆に言うと教室の依頼では
そういう奪う奪われるの方向の、強い心情要素のある依頼には早苗さんは不参加でいきます
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